改善策の度合い

クレームへの対応

組織は、一度「やります」とお客様に約束をしたら、「やっぱりやれません」なんて容易に言えたものではない。
クレームは信頼関係を築くチャンスという話をよく聞くが、そうはいってもクレームが発生し、それにいかに適切に対応するかということにおいては、難しい判断が求められる場合も多い。

一般の消費者を相手にする事業で、顧客からクレームを頂いた場合は、組織的な改善策と謝罪や説明の納得性のバランスが求められるだろうし、クレーマー対策も要るだろう。企業同士であれば、もちろん謝罪や説明の納得性も必要だが、それ以上に、実際に相手の要求を満たす改善ができるかが問われることになる。

報告する改善策の度合い

企業によっては、クレームを発した取引先から、どのような再発防止策をとるのかについて回答を求められることも多いのではないだろうか。このとき、対応の責任者が、「今出来うる対策を講じただけでは、この問題はきっとまた起こるだろうな、しかし、再発を防止する有効な対策をするには、まだ時間がかかるぞ」と考えざるを得ないようなことも多いのではなかろうか。そして、このように考えられたら、その方は、対応に失敗することは少ないだろうと思う。既に、現実的な改善策と効果との間で、どの程度の回答が妥当かというバランスが意識され、折り込まれているからである。

しかし、こういったバランスを検討できる社員を、うまくそのような役割に充てられるかという課題もあって、対応に相当な不安がある会社や部門もあるのではないだろうか。 このことは、必要な度合いがどの程度で、それを満たす対策が何で、それを必要とする時期は何時か、などを考え、調整する力量にも関わっている。 だから、求められる事柄を正確に捉えるとか、対策検討のための知識とか、当然教育は必要で、それらができる社員の確保にも努めなければならないが、それなりの人が確認し、承認するというプロセスが何より大事だ。

約束できないことまで対策に盛り込んでしまったり、一時的にはできても、継続が困難であったり、また対策が不足していて、その不足が続くことで、顧客企業との取引が危うくなる危険性があったり、そんなことがあちらこちらで起きているかもしれない。

社長にわかるように警鐘を鳴らしてくれる取引先もあるだろうが、それをあてにするのは大変心許ない。

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