より重要で困難な組織活動への関与を促すコミュニケーションへ

積極的なスタッフの関与を求めるコミュニケーションとこれを阻害する要因。
企業の業務のボトムラインを確保するために、またより高度なマネジメントや人材育成を展開していくためには、その基本となる組織体系や仕組みが整備され、業務の目的や顧客への具体的な貢献イメージが伝達されることが重要であることは、このウェブサイトでも「内部コミュニケーション」のカテゴリで触れています。 ここでは、その上で組織の学習意欲を高め、スタッフにより積極的な関与を求めるための手法の一つを見ていきます。 施策の検討の際には、より高度な人材育成に影響を与えるものとして、このような手法を上手に盛り込むことを検討していきましょう。


 

「どうも、仕事に前向きなスタッフが少ない。」

「どうしたらより多くのスタッフが積極的に仕事をしてくれるようになるのだろうか。」

仕組みを作ってボトムラインを維持しても、そこから一歩進んで活発で柔軟な組織になっていくことを願って様々な取り組みを検討している経営者やリーダーは多いことでしょう。

これらをコミュニケーションの視点から考えたとき、社内に自社製品やサービスなどに関する市場の良くない評価が公式にやり取りされているかどうかで、積極的にスタッフを関与させられる状態なのかを推し量ることができる場合があります。

「製品の使い勝手が悪いという情報は十分に聞いてきてくれ」

スタッフのやる気イメージ「我々のターゲットにこの商品をアピールする手段は、本当に今のやり方がベストなのか?」

「他社よりも優れているというのは、我々の自己満足なのではないか?」

「不満はなかなか言ってもらえない。君がその情報を得られるのは、本当に公正に情報を扱い、良くしようとしてくれるだろうという評価の現れだろう。だからこそ、たとえ根本的な見直しを迫られても、修正しなければならないね」

 

ターゲット、販売戦略、他社製品・サービスとの比較、狙っている市場の実在

実は、我々の製品の代わりになるものが既に現れていて、使い方が浸透しさえすればそれにとって代わるのではないか?

積極的に取りに行かなければ得られないこのような情報は、出来る限り的確に把握できるようにモニター方法に十分な検討が加えられます。しかし、本当の評価は、製造現場、販売現場、提供現場などとの徹底的な連携で把握に努めたり、またモニターした情報の意味を、現場と共に探ることができなければ、得られない場合が少なくありません。

苦労して調査を行い、何度も試作を重ね、金や労力を投じて策定した計画の抜本的見直しを迫られかねないこのような情報は、その伝達を阻害する要素も大きく、発見されていても組織の中で活かされることなく時間が過ぎていく可能性すら秘めています。

 

いかに組織化し、仕組みを作り、教育を行い、コミュニケーションの円滑化を志向し、また高度なモニタリングシステムを導入しても、戦略そのものの見直しを迫られるような、また製品やサービスの重大な欠点に直接つながるような情報が伝わらなければ、リスクが顕在化した段階で無意味なものになりかねません。


 

やったーこれらがちゃんと伝達され、活かされる組織は、モラールや目的意識が高く、そのような組織では、より高度な取り組みへ挑戦しようとするスタッフからは、「成長意欲を満たしてくれる場所だ」と認識される可能性が高くなるのではないでしょうか。

業務をこなす段階からステップアップし、積極的に組織に貢献しようとするスタッフがたくさん活躍する組織というステージに移行するには、スタッフのこのような認識はとても重要な要素の一つでしょう。

 


 

情報伝達・活用余談ですが、コミュニケーションの円滑な組織では、様々な情報が飛び交います。その中にはもちろん組織にとって、またリーダーにとって有意義な情報もあれば、そうでないものもあります。この時、そうでない情報に目を奪われてしまうと、リーダーはどうしても、その対応の煩わしさから消極的な対応をしてしまう場面も少なくないようです。 こうした煩わしさからリーダーを救うものの1つが、都度挙げられる情報をどのように扱うかを判断する力です。処理されずに蓄積された情報は、多くの場合、リーダーの煩わしさを一層増幅させる方向へ働いていきます。一方、判断がなされないことが続くことは、情報を挙げたスタッフを不満に向かわせやすくします。そしてこの判断を行う力には、根拠の有無が大きく影響しているとされます。

 


 

ご存知の方も多いと思いますが、 「リーダーが公式・非公式のコミュニケーションを通じて、顧客の嗜好の変化や競合、新技術の台頭等、戦略に影響を与えるような情報への興味を示し、情報を求める。これによりスタッフはルーティン以外の情報収集に努めたり、試行錯誤を行うように方向づけられ、組織の学習や新たなアイデア、戦略の創発を促す」というマネジメントコントロールの概念に、インタラクティブコントロール(ロバート・サイモンズ)があります。
適用する場面を適切に選択する必要があるとされていますが、組織のコミュニケーションのあり方においては、非常に参考になると思います。

こういった組織づくりには、トップの強力なリーダーシップが不可欠であることは言うまでもありませんが、日ごろから組織を外部に晒す努力をするなど、体質が閉鎖的になっていくのを緩和する対策を常に打っておくことが必要かもしれません。